耳たぶ

年中  芳賀 匡基

 

僕の耳のやさしいところがあるんだよね

僕のやさしい耳のところは

僕が今なでてるところ

だけど

詩だから見えないけど

あとで写真とってみせてあげる

僕のやさしい耳のところは

けっこう大事

ママくらい大事

みんなくらい大事

だから耳のやさしいところは好きなの

やわらかいしきもちいから

耳のやさしいところがすき

 

           (お母さんが書き留めた口頭詩)

 

 

 

飛べたらいいのに

小学四年  小笠原 優那

 

 学校から帰ろうとすると

いつもより強い風

向かい風に

うしろからの風

なんならもう

風にのって

飛んでいけたら

いいのになぁ

 

  

(子どもの詩『サイロ』No.779 11月号より)

 

動いている?

小学五年  正岡 未帆

 

 空の雲

動いている?

ずっと同じ場所にいる

まるで迷っている自分みたい

 

でもすこしずつ

動いている

すこしずつ

進んでいる

 

自分の人生も

すこしずつ進んでいる

雲も人生も

すこしずつ進んでいる

 

 

 (子どもの詩『サイロ』No.779 11月号より)